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『幼なじみ』

第39章  安息



ジュッ・・・


パチパチパチパチ・・・




花火のような・・・
青緑色の炎と
白煙を立ち昇らせ・・・


鼻をつく・・・
甘ったるいような
悪臭をまといながら・・・


覚醒剤と・・・
マリファナが入った・・・
茶封筒が・・・


メラメラと・・・
豪快に燃え盛って行く・・・。


すると・・・


喜多見の咄嗟の合図で・・・


拓弥の元に・・・
一気に走り込んで来た
手下たちが・・・


火の点いた・・・
その茶封筒を・・・
バッとかっさらい・・・


燃えたぎる炎を・・・
素手でバンバン
叩き消したかと思うと・・・


瞬時に・・・
身構えた拓弥を・・・


凄まじい勢いで・・・
一斉に殴打し始めた・・・。



ボスッ・・・!


ドスドスドスッ・・・


ガッ・・・ガッ・・・・!




「グ・・・ハッ・・・!」




ドスドスッ・・・


ドスドスッドスッ・・・・・・




延々と止まない・・・
手下たちの
容赦ない攻撃に・・・


無抵抗のまま・・・
なす術(すべ)もない・・・
拓弥は・・・


アッと言う間に・・・
コンクリートの地面に
叩き付けられ・・・


母親のお腹の中で
丸まっている
赤ん坊のように・・・


体を縮こませ・・・
ガードしながらも・・・


口から血を吐き・・・
ズタズタに・・・
殺られて行く・・・。






そして・・・


徐々に・・・
消え薄れて行く
朦朧とした意識の中で・・・


静かに目を閉じ・・・


大好きな・・・
ルイ君の顔を
思い浮かべながら・・・


全身全霊で
ルイ君を守り抜いた・・・
自分に満足し・・・


清々しい程の・・・
万感の思いを携え・・・


これで・・・
良かったんだと・・・


漸く・・・
安息の境地を・・・
手にした拓弥に・・・




とてつもなく・・・
壮絶で長い一日が・・・








終わりを・・・
告げようとしていた・・・。

















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