『幼なじみ』
第39章 安息
ビリッ・・・!!
ビリビリ・・・ビリビリ・・・
拓弥に因って
細かく破かれた・・・
三枚の写真が・・・
桜吹雪の如く・・・
ハラハラと宙を舞う・・・。
「おいッ・・・!
喜多見ッ・・・!!
こんな写真で・・・
脅してんじゃねーぞッ!!
お前・・・馬鹿か・・・?
こんな・・・
チンケな薬物に
振り回されてよ・・・
こんなモンが・・・
あるから・・・
アンタ・・・
おかしく・・・
なっちまうんだよ・・・
俺は・・・ともかく・・・
ルイ君まで・・・
巻き込みやがって・・・
チキショーッ!!
目ェ覚ませッ!!
クソがッ・・・!!
なぁ・・・
この・・・俺を・・・
甘く・・・見んなよ・・・?
コンナモノ・・・
コウシテヤルヨッ!!」
ハッと目を見開き・・・
たじろぐ・・・
喜多見を前に・・・
狂ったように・・・
捨て台詞を
畳み掛けた拓弥は・・・
絶対に・・・
大好きなルイ君を・・・
道連れにはしない・・・
そんな思いを胸に・・・
今の今まで・・・
大切に抱えていた
紙袋から・・・
覚醒剤と・・・
マリファナが
ギッチギチに入った・・・
茶封筒を・・・
バッと取り出し・・・
紙袋だけを
かなぐり捨て・・・
もう怖いモノは
何も無いんだと・・・
堂々と胸を張り・・・
完全に開き直る・・・。
そして・・・
喜多見に・・・
見せつけるように・・・
サッと勢い良く・・・
その茶封筒を
高らかと掲げた拓弥は・・・
短パンのポケットから・・・
おもむろに・・・
ライターを取り出し・・・
ニヤリと一瞬・・・
不気味に笑うと・・・
シュボッ・・・と
灯したライターの炎を・・・
ジワジワと・・・
茶封筒に
近付けて行った・・・。