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『幼なじみ』

第40章  悪夢



一気に・・・
階段を駆け降り・・・


そろそろ・・・
人もまばらな・・・
一階の・・・
エントランス付近まで・・・


一心不乱に
辿り着いた・・・
あたしと梨香は・・・


蜘蛛の子を・・・
散らすかのように・・・
出入口から・・・
外へ出て行く・・・


威勢の良い・・・
輩たちの後に続き・・・


勢いもそのままに・・・
歩道に飛び出し・・・


素早く・・・
辺りを見渡してみる・・・。


すると・・・


黒人の・・・
セキュリティの背中に
グニャリと
おぶさっている・・・


見るから・・・
無防備に・・・
殴られたであろう・・・


息すらも・・・
しているのか
分からない程・・・
顔面が潰れた・・・


ここからでは・・・
全く以て・・・
誰かも検討のつかない・・・


血みどろの・・・
ボクサーパンツ
一丁の男が・・・


今まさに・・・


【staff】と
腕に印刷された・・・
真っ黒なジャンパーを・・・


別のセキュリティに
そっと背中に・・・
掛けられながら・・・


クラブ横の・・・
細い脇道から・・・


タイミング良く・・・
歩道に出て来る姿が・・・


否が応にも・・・
視界に飛び込んで来た・・・。


「ヤバイね・・・

生きてんの・・・かな・・・」


余りの悲惨な光景に・・・


顔を背け・・・
息をするのも忘れていた
あたしの隣で・・・


物悲しい表情を
浮かべた梨香が・・・


ポツリと呟く・・・。


そして・・・


白々と・・・
明けてきた空の下で・・・


一ミリも・・・
微動だに出来ないまま
立ち竦む・・・


二人の耳には・・・


遠くから・・・
聞こえてくる・・・
救急車の
サイレンの音が・・・


静かに・・・
ハウリング・・・
し始めていた・・・。
















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