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『幼なじみ』

第40章  悪夢



ピーポー・・・


ピーポー・・・ピーポー・・・


徐々に・・・
野次馬が・・・
歩道に膨れ上がり・・・


騒然とするさ中・・・


茫然自失のあたしは・・・


瞬く間に・・・
視界に入って来た
救急車を・・・


遠い目をしたまま・・・
静観している・・・。


が・・・しかし・・・


目の前で・・・


黒人の・・・
セキュリティに
担がれたまま・・・
ピクリとも動かない・・・


あの血まみれの男が・・・


【拓弥かもしれない】
という一抹の不安は・・・
一向に治まらず・・・


どうにか・・・
あの男の素性を
確かめようと・・・


闇雲に考えあぐねる・・・
あたしの耳に・・・


クラブの・・・
エントランス付近から・・・


不安と緊張が
入り交じったような・・・
男の声が・・・


唐突に・・・
入り込んで来る・・・。


「り・・・梨香ッ・・・!!」


ハッとし・・・
後ろを振り返った
梨香に合わせ・・・


一緒になって・・・
その男の声のする方へ・・・


あたしが勢い良く・・・
視線を・・・
投げ掛けてみると・・・


なんと・・・
そこには・・・


今夜も・・・
颯爽とレコードを
回していたであろう・・・


このクラブでは・・・
一目置かれている・・・


常連客なら・・・
誰もが知っている
専属DJ春斗が・・・


血相を抱えながら・・・
立ち竦んでいた・・・。


「は・・・春斗ッ・・・?!




ァ~良かったぁ・・・


無事だったんだね・・・?!」


春斗が・・・
巻き込まれていない
事実に・・・


安心したのか・・・


ホッと胸を・・・
撫で下ろした様子の
梨香が・・・


明るい笑顔を
浮かべて見せる・・・。


すると・・・


首をブンブンと
激しく横に振った
春斗が・・・


野次馬を掻き分け・・・
此方に・・・
駆け寄って来たかと
思うと・・・


咄嗟に身構える・・・
あたしたちに向かって・・・


突然・・・
高圧的に喋り出した・・・。












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