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『幼なじみ』

第40章  悪夢



「おいッ・・・!


しっかりしろよッ・・・!!



そうだよ・・・


殺られたヤツ・・・


タクヤなんだ・・・



実は・・・
このビニール袋に・・・


コイツの・・・
血まみれの私物が
入ってんだよ・・・


つか・・・


もう病院向かうから・・・


袋の中身の確認は・・・
後回しにして・・・


このまま一緒に・・・


救急車に・・・
乗ってくんねーか・・・?!


ほらッ・・・


これ・・・持ってくれよッ!!」


余りの・・・
突然の展開に・・・
頭が全く付いて行かず・・・


目を丸くしたままの
あたしの腕を・・・


突然・・・
セキュリティが・・・
グイッと・・・
掴んだと同時に・・・


男の私物が入った・・・
その真っ黒な
ゴミ袋の縛り口を・・・


否応なしに・・・
強い力で・・・
握らせてくる・・・。


「ほらッ!


ボサッとしてねーで・・・


乗った!乗ったッ!」


一分一秒を争う・・・
この殺伐とした
空気に飲み込まれ・・・


急かすような・・・
セキュリティの
強引な台詞に・・・


無我夢中で・・・
頷いてしまった
あたしは・・・


とにかく・・・
無事であって欲しい・・・


人違いであって欲しい・・・
と・・・


ただ闇雲に・・・
祈りながらも・・・


潔く・・・
全てを見届ける
覚悟を心に決め・・・


疲れた体を・・・
懸命に奮い立たせると・・・


手招きをする・・・
セキュリティの後を
追うように・・・


颯爽と・・・
救急車の中へ
乗り込んで行った・・・。

















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