『幼なじみ』
第7章 空虚
「・・・ハイ?」
念願叶って・・・
電話口から
無愛想な男の声が
耳を掠める・・・
「あ~その声は・・・
藤野さんッすか~?
お疲れ様です・・・
拓弥ッす・・・!
いや~居てくれて・・・
マジ助かりましたよ~!
今・・・
事務所の近くまで
来てるんですけど・・・
今朝・・・
まんまと
駐禁切られちゃって・・・
もし・・・
事務所の駐車場
空いてたら・・・
自分の車・・・
停めさせて
もらえませんかね~?」
拓弥は・・・
待ってました!と
ばかりに・・・
調子よく
お願いをすると・・・
OKを貰えたのか・・・
ふぅ・・・と
安堵に満ちた
息を吐き・・・
青になった信号を・・・
パッと見上げると・・・
勢いよくアクセルを
踏み込んだ・・・。