
『幼なじみ』
第7章 空虚
出勤前の
大勢の人が行き交う・・・
渋谷駅前の・・・
大きなスクランブル
交差点で・・・
拓弥は・・・
長い時間・・・
足止めを食らう・・・。
「ったくッ・・・
信号待ちしてる
場合じゃねーんだよッ!
こっちはッ・・・!
今警察に
捕まったら・・・
花の東京連合に・・・
何されるか分かんねーよ・・・」
拓弥は・・・
東京連合主催の・・・
今週末のgoldの
イベントに・・・
自分が
行けなくなる事態を
想像し・・・
身震いする・・・。
焦る気持ちを
制御出来ず・・・
ガンッ!と両手で
木製のハンドルを
思い切り叩くと・・・
突然・・・
ハッ!と何かを
思い出し・・・
車に付いている
自動車電話から・・・
事務所に
電話を掛ける・・・。
プルルル・・・プルルル・・・
プルルル・・・
『マジ・・・
誰か出てくれよ・・・頼む・・・』
拓弥は心の中で・・・
ひたすら必死になって
哀願した・・・。
