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『幼なじみ』

第42章  難局



グォ――ンという・・・


重たい機械音を
轟かせながら・・・


一階に・・・
エレベーターが
到着したと同時に・・・


扉がゆっくりと・・・
横へスライドして行く・・・。


誰も居ない・・・
金属の箱の中へ・・・
サッと乗り込み・・・


⑥のボタンを
慌ただしく連打した
あたしは・・・


扉が閉まった途端・・・


息も詰まるような・・・
この狭い空間で・・・


必死に顔を上げ・・・


順々に・・・
点灯していく数字を
目で追って行く・・・。


そして・・・


チン・・・!という
音と共に・・・
静かに扉が開き・・・


勢い良く・・・
外へ飛び出した瞬間・・・


【ナースセンター】と
壁に書かれた
文字を発見し・・・


些かホッとするが・・・


目の前を遮る・・・
透き通った・・・
ガラス越しには・・・


白衣をまとった
看護師たちが・・・


パタパタと・・・
忙しなく・・・
動き回っており・・・


誰に声を・・・
掛けて良いのか
皆目見当もつかず・・・


どうしたものかと・・・
手をこまねいていると・・・


突然・・・


受付の小窓を・・・
スライドさせ・・・
顔を覗かせた・・・


ベテランの
看護師であろう・・・
年配の女性が・・・


タイミング良く・・・


穏やかな声で・・・
話し掛けて来た・・・。


「どうされました・・・?」


ハッとする・・・
あたしの顔を
見つめたまま・・・


その女性が・・・
更に口を開く・・・。


「ひょっとして・・・


今・・・処置の終わった・・・


タクヤさんの・・・
お知り合いの方かしら・・・?」



「はッ・・・ハイ!」


拓弥の名前を
耳にしたあたしが・・・


慌てて即答するや否や・・・


その女性が・・・
受付横の自動ドアを
すり抜け・・・


息を飲むあたしに
近付いて来たかと
思うと・・・


にこやかに・・・
微笑みながら・・・


優しく・・・
言葉を掛けてきた・・・。

















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