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『幼なじみ』

第43章  震撼



「アッ・・・!


ちょっと待って・・・!


丁度良かったわ・・・


タクヤさん・・・
目が醒めたのよ・・・!


私は・・・
気を失った彼女の様子
見てくるから・・・


あなたは先に・・・
603号室へ行って・・・


タクヤさんに
会ってあげたら・・・?




どうかした・・・?


暗い顔しちゃって・・・?


お友達・・・
もう大丈夫だから・・・


安心なさい・・・?




あなたも・・・
疲れてるだろうし・・・


タクヤさんの顔見たら・・・


家帰って・・・
ゆっくり休みなさいね・・・?


ほらほら・・・


早く此方に来て・・・


一緒に・・・
エレベーターで
行きましょ・・・?」


まさしく・・・
天からの
救世主であろう・・・


先ほど・・・
甲斐甲斐しく・・・
あたしを
介抱してくれた・・・


年配の看護師が
セキュリティに・・・
声を掛け・・・


この危機的状況から
救い上げてくれるさ中・・・


有難いことに・・・


拓弥の朗報までも
耳にしたあたしは・・・


ホッと胸を・・・
撫で下ろすと同時に・・・


今一度・・・
階段の影から
片目だけを覗かせ・・・


セキュリティの様子を
うかがってみる・・・。


すると・・・


チッ!と・・・
軽く舌打ちしつつ・・・


渋々ながらも
回れ右をした
セキュリティが・・・


ひなびた階段を
そそくさと駆け降り・・・


看護師が待つ
病棟の方へと・・・


速やかに・・・
向かって行くでは
ないか・・・!


『看護婦さん・・・

どうも・・・有難う・・・』


漸く・・・
生きた心地が・・・
体中に染み渡り・・・


心の中で・・・
お礼を述べるも・・・


先ほどの・・・
看護師の話を
途端に思い出し・・・


気絶したあたしを・・・
迎えに行くと
言っていた彼女には・・・
申し訳ないが・・・


何をしでかすか
到底分からない・・・


あたしたちの敵である
セキュリティより先に・・・


拓弥に会いに
行かなきゃ・・・!と・・・
思い立ったあたしは・・・


勇んで立ち上がり・・・
気合いを入れると・・・


六階に向かって・・・


勢いよく・・・
階段を・・・
駆け上がって行った・・・。














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