『幼なじみ』
第7章 空虚
そして・・・
事務所の前で・・・
息を整え・・・
ドアノブを握り・・・
鍵が開いているのを
確認した拓弥は・・・
おもむろに
ドアを開け・・・
「お早うございま~す!
藤野さん・・・!」
と・・・
何事も無かったかの
ように・・・
テンションmaxで・・・
ズカズカと
中に入って行く・・・。
二人きりの事務所は・・・
思いのほか静かで・・・
全く空気が
読めていない・・・
そんな自分に
気付いた拓弥は・・・
些か・・・
恥ずかしくなり
頬を赤らめる・・・。
「車・・・大丈夫か・・・?」
怪訝そうに
尋ねて来る・・・
仏頂面の藤野に・・・
まさか・・・
駐禁の輪っかを
ペンチで外しました・・・。
とは・・・
口が裂けても言えない
拓弥は・・・
苦笑いを・・・
浮かべると・・・
「いや~
参りましたよ~
つか・・・藤野さん!
今日は・・・
マジ助かりましたッ!
有難うございましたッ!」
と・・・
何も悟られないよう
勢いよく頭を下げた・・・。