『幼なじみ』
第8章 調達
「オッサンッ!
今まで勝った金・・・
全部精算してくれよ!」
初めは・・・
目を見開き・・・
驚いた様子の
店員だったが・・・
いつになく
真剣な拓弥に対し・・・
何かを悟ったのか・・・
奥の金庫から
札束を取り出し・・・
今日の朝刊で
ササッと包み込むと・・・
拓弥に
ゆっくりと
近づきながら・・・
そっと手渡し・・・
そして一言・・・
「無茶はしなさんなよ。」
と・・・
呟いたと同時に・・・
拓弥の肩を
ポンポンと
優しく叩いてくれる・・・。
そんな・・・
父親のような
温かい店員に・・・
すっかり・・・
癒されながらも・・・
普段・・・
現金を
余り持ち歩かない
拓弥は・・・
預け入れしていた・・・
五十万もの金を・・・
無言のまま
素早く受け取り・・・
出納帳に
ササッと・・・
自分の名前を
サインする・・・。
そして・・・
信頼出来る
オッサンに
心から感謝しながら・・・
今履いている
ボクサーパンツの中に・・・
現金を・・・
ガサガサと
仕舞い込むと・・・
「サンキュー!
また来るわ・・・!」
と・・・
笑顔で手を振り・・・
ポーカー屋を・・・
足早に去って行った・・・。