『幼なじみ』
第9章 春斗と梨香
「マジ・・・
毎日せわしねーよな・・・」
キャバクラの
事務所から・・・
渋谷駅前の・・・
スクランブル交差点に
辿り着いた拓弥は・・・
忙しなく
いつもと変わらない・・・
渋谷の街の
喧騒を眺めながら・・・
ボソッと呟く・・・。
『どこからこんな人が
湧いて来んだよ・・・
はぁ~
俺なんか
この中に居ると・・・
マジ・・・
ちっぽけだよな・・・
つか・・・そんなことより
仕事!仕事!』
一瞬・・・
詩人になりかけた
拓弥だったが・・・
気持ちを切り替え・・・
大勢の人と人とが
ぶつからないよう
足早に行き交う・・・
だだっ広い
交差点を・・・
センター街に
向かって・・・
勢いよく
ズンズン進んで行く・・・。
歩道を・・・
渡り切ろうとした・・・
その時・・・
見かけた顔の男が・・・
正面から
拓弥に向かって
声を掛けてきた・・・。