『幼なじみ』
第9章 春斗と梨香
「よ~!拓弥~!
これからご出勤・・・?」
馴れ馴れしく・・・
にこやかに
話し掛けて来る
その男は・・・
同じ事務所の
キャッチ仲間で・・・
ジャニーズ系の
爽やかな
イケメンである・・・
同い年の春斗だった・・・。
女には・・・
常に優しく・・・
羽振りもよく・・・
お洒落で・・・
とにかく
モテまくる春斗とは・・・
それなりに仲は
良かったが・・・
キャッチの売上では
かなり負けている為・・・
拓弥は勝手に
ライバル視していた・・・。
高級ヴェルサーチの
白いシャツに身を包み・・・
BVLGARIの・・・
爽やかで
グリーンの香りを
振り撒きながら・・・
春斗は・・・
最近調子はどーよ?
とばかりに・・・
透かさず・・・
肩を組んで来る・・・。
「なんだよ・・・
春斗かよ・・・。
お前も仕事・・・?」
「なんだよ・・・って・・・
拓弥~?
随分な・・・
ご挨拶じゃ~ん?
つか・・・俺は・・・
今週末・・・
goldのイベント・・・
サーファーズナイトで
回す用の・・・
イケイケのレコード
買いに来たの・・・!」
片耳に手を当て・・・
空中で
レコードを擦り・・・
エアDJを・・・
披露する春斗に・・・
「なるほどね・・・。」
と・・・
小刻みに
頷いた拓弥は・・・
突然・・・
ハッ!と・・・
大切なある要件を
思い出し・・・
質問を繰り出した・・・。