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『幼なじみ』

第10章  中毒



そして・・・


疲れた体で・・・


何とか・・・
キャバクラの
事務所に戻ると・・・


有難い事に
藤野は居らず・・・


ホッとしたのも
つかの間・・・


たまたま
給料を取りに
来たのであろう・・・


なんと・・・


朝・・・電話で話した
キャッチ仲間の
ルイ君が・・・


ニッコリ笑って
此方を
見つめている・・・。


ガリッガリの
真っ白な細い体に・・・


綺麗な黒髪を
腰まで伸ばし・・・


全身・・・
タトゥーまみれで・・・


強烈な雰囲気を
醸し出すルイ君は・・・


耳から鼻・・・眉毛に・・・
舌先・・・


更には・・・
乳首にまで・・・


全てに・・・
シルバーのピアスを
施しており・・・


まさに・・・
近寄り難い風貌を
しているのだが・・・


頼み事は断れない・・・


お人好しで
とても優しい性格の
持ち主だ・・・。


しかし・・・


残念な事に・・・


見かけが怖い為・・・
女が誰一人・・・
寄ってくるハズもなく・・・


キャッチの成績は
万年最下位な挙げ句・・・


ブルーカンパニーの
上層部に
どやされる日々を
送っている・・・。


『俺だったら・・・


いい加減・・・


違う仕事・・・
探すけどなぁ・・・


まぁ・・・
人の事は・・・
言えねーけど・・・』


拓弥が・・・
疲れた頭で
ボーッと考えていると・・・


今朝の電話では・・・


テンションが
かなり低めだった
ルイ君が・・・


「拓弥~♪」と・・・
鼻歌混じりに・・・


ユラユラ・・・
近付いて来ると・・・


ヘラヘラと・・・
笑いながら・・・


あるモノを・・・
そっと手渡して来た・・・。
















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