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『幼なじみ』

第10章  中毒



「ルイ君・・・何すか・・・?


・・・これ?」


拓弥が・・・
そっと掌を開けると・・・


そこには・・・
透明なビニールの
パケに・・・


真っ青な錠剤が
二粒入っていた・・・。


『エクスタシーかよ・・・』


拓弥が
確認すると同時に・・・


気持ち良さそうな
ルイ君が・・・
ゆったりと話し出す・・・。


「今・・・俺ねぇ~


【玉】もう・・・
食っちゃッてん
だけどぉ~


拓弥がぁ~
疲れた顔・・・
してるから~


美味しい物・・・
プレゼント
しちゃうね~?」


意味不明な台詞を・・・
フワフワと
発したルイ君は・・・


呂律が回らない
口元で・・・
更に話を続ける・・・。


「今度のぉ~
イベまでには~


頼まれてる物(ブツ)
全部用意するから~


安心してねぇ~?」


最近出回っている
合成麻薬を
【玉】と呼び・・・


意識も虚ろで・・・


たまに白目を
ヒン剥いてしまう
ルイ君は・・・


どこから見ても
重度の薬物常習者だ・・・。


もしルイ君が・・・
今捕まったら・・・


約束している
ブツが手に入らない
挙げ句・・・


今度のイベントで
開催されるパーティーも
潰れてしまい・・・


確実に・・・
自分とルイ君は
共倒れする・・・。


そんな・・・
恐怖心に煽られた・・・
拓弥は・・・


即座に・・・
タイムカードを押し・・・


ベタベタと
自分に触り始めた
ルイ君を・・・


事務所から
急いで連れ出すと・・・


地下駐車場へと
猛ダッシュで・・・


一目散に駆け降りた・・・。
















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