『幼なじみ』
第10章 中毒
そして・・・
拓弥は・・・
原宿駅から程近い・・・
表参道の裏通りを
静かに運転しながら・・・
鼻歌を
フンフン歌い・・・
ドライブを
楽しんでいる様子の
ルイ君を横目に・・・
『ルイ君・・・?
パーティーまでに
物(ブツ)用意して
下さいよ・・・?
マジ俺達・・・
共倒れしちゃいます
から・・・』
と・・・
幾度となく・・・
心の中で語り掛ける・・・。
程なくして・・・
ルイ君の実家である・・・
大きな・・・
白い豪邸に到着し・・・
車をピッタリと
横付けした後・・・
終始・・・
ご機嫌だった
ルイ君を・・・
抱き上げるように
そっと降ろした・・・。
「拓弥ぁぁ・・・
また明日ね~」
エクスタシーで
フラフラに
なったまま・・・
玄関を開け・・・
家の中へ入って行く・・・
ルイ君の背中を・・・
見届けながら・・・
ふと・・・拓弥は・・・
適当に
生活しているにも
係わらず・・・
金には一切
困らない・・・
ボンボンの
ルイ君に対し・・・
一瞬・・・
嫉妬心を
彷彿させるが・・・
『俺だって・・・
一旗揚げてやるよッ!』
と・・・
新たな決意を胸に
車に乗り込み・・・
疲れ果てた体を
無理矢理・・・
奮い立たせると・・・
やっとの思いで・・・
帰宅の途に着いた・・・。