
『幼なじみ』
第10章 中毒
何が楽しいのか・・・
ケラケラと
笑いっ放しのルイ君を・・・
急いでボルボの
助手席に乗せ・・・
運転席に飛び乗った
拓弥は・・・
キキーッと
急発進させ
事務所を飛び出す・・・。
そして・・・
サーッと滑るように
宮益坂を下り・・・
明治通りを
急カーブすると・・・
宮下公園沿いに
車を急停車させた・・・。
「マジ・・・
どうしちゃったんすか?!
ルイ君・・・?!
しっかりして下さいよ!」
いくら・・・
薬物中毒の
ルイ君でも・・・
職場で・・・
ラリってるのには・・・
何か
訳があるのだろうと
察した拓弥は・・・
ルイ君の両肩を持ち・・・
ブンブンと
大きく揺らしながら
問い正す・・・。
「ひーー!拓弥~
何で怒ってんのぉぉ?!
藤野みたいに
怒んないでょぉぉ・・・」
やはり藤野に・・・
キャッチの
成績の事で・・・
怒鳴られでも
したのだろう・・・
子供の様に
甘えてくるルイ君に・・・
今日は何を言っても
無駄だと悟った
拓弥は・・・
問い正すのを諦め・・・
「ルイ君・・・
今送りますから・・・
大人しく
座ってて下さいよ・・・」
と・・・
優しく諭し・・・
しっかり・・・
ハンドルを握ると・・・
原宿にある
ルイ君の実家まで・・・
安全運転で
ゆっくりと
車を走らせた・・・。
