『幼なじみ』
第12章 陶酔
カップラーメンを
黙々と食べ終えた
拓弥は・・・
六畳一間の
自分の部屋に入り
ドアを閉めると・・・
壁に設置されている
間接照明だけを付け・・・
オレンジ色の
明かりの中・・・
疲れた体を
シングルベッドに
放り出す・・・。
カチッ・・・
煙草に火を着け・・・
天井を見上げ・・・
殺風景な
見慣れた部屋の
景色を眺めながら・・・
ふと・・・
ジーンズのポケットに
手を伸ばすと・・・
そこには・・・
先程ルイ君から
手渡された・・・
真っ青の
エクスタシーが
間接照明に照らされ・・・
存在を・・・
アピールするかの
ように
キラキラ光っていた・・・。
「エクスタシーかぁ・・・」
車の中で・・・
楽しそうに
無邪気に笑っていた・・・
ルイ君の姿が
頭をよぎる・・・。
心身共に
疲れ切っている
拓弥は・・・
一瞬・・・
躊躇するも・・・
徐々に・・・
現実逃避したい
気分に・・・
苛まれていった・・・。