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『幼なじみ』

第12章  陶酔



と・・・その時・・・


クラクラッと・・・
軽い目眩が拓弥を襲う・・・。


そして・・・


フワァ~ッと・・・
いきなり体が
軽くなったかと思うと・・・


誰かが全身を
サワサワサワ~
と撫でるような・・・


くすぐったい感覚に
見舞われる・・・。


目を
ソーっと瞑ると・・・


自分がフカフカの
雲の上に居るような・・・


ポワン・・・ポワン・・・
と・・・浮いている・・・


大きなシャボン玉の
中に入り・・・


ゆっくりと
風に吹かれたまま・・・


フワフワと
漂っているような・・・


全てがセピア色で・・・
スローモーションで・・・


8ミリビデオの映像を・・・
レトロな映写機で
見ているかのような・・・


柔らかい
不思議な感覚が
拓弥を包む・・・。


今のこの状況が
夢なのか・・・
現実なのか・・・


徐々に・・・
拓弥は・・・


区別がつかなく
なっていった・・・。


すると・・・
段々と・・・


自分が眩しい光に
包まれて行き・・・


天国に居るような
神々しい高揚感と・・・


母親の
お腹の中に居るような・・・


温かい優しさで
満ち溢れた幸福感が・・・


さざ波のように
押し寄せ始め・・・


「・・・超気持ち良い・・・」


と・・・
拓弥は無意識に
声を出すと・・・


暫くの間・・・


エクスタシーの
とてつもない快感に
身を委ね・・・


時間を忘れ・・・
陶酔し続けた・・・。











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