『幼なじみ』
第13章 共有
「じゃ・・・俺・・・
そろそろ
行きますわ・・・」
スケボーの話で
盛り上がりながら・・・
玄関先に到着した
拓弥は・・・
深々と・・・
お辞儀をし・・・
見送ってくれる・・・
母親代わりの
お手伝いさんに
会釈をすると・・・
ガレージから
ボルボを出し・・・
車内から窓を開け・・・
未だ・・・
名残惜しそうな
ルイ君に向かって・・・
「ご飯・・・
めちゃ美味かったっス・・・
また・・・
イベまでに
連絡するんで・・・
もう【玉】は・・・
食わないで・・・
早めに
寝てくださいよ・・・?」
と・・・
子供を宥めるように
優しく・・・
言い聞かせる・・・。
「うん・・・
分かったぁ・・・
なんか今日・・・
拓弥と・・・
本当の友達に
なれたみたいで・・・
凄く嬉しかったぁ・・・
有難う・・・ね・・・」
人生でやっと・・・
本当に・・・
心を許せる人間を
見付けたのだろう・・・
余程嬉しかったのか・・・
今まで・・・
見せたことの
ないような・・・
人間らしくて
可愛い照れ笑いを
浮かべたルイ君は・・・
車をゆっくり
発進させる
拓弥に向かって・・・
心から・・・
感謝の言葉を
口にする・・・。
拓弥も・・・
その気持ちに
応えるべく・・・
にっこりと
笑いながら
高々と片手を上げ・・・
プップッ・・・と、
軽めの
クラクションを
二回鳴らし・・・
『ルイ君・・・
こちらこそ・・・
有難う・・・だよ・・・』
と・・・
心の中で呟くと・・・
とても・・・
清々しい気持ちで
白い豪邸を後にした・・・。