『幼なじみ』
第14章 予兆
辺りが・・・
夕闇に包まれ・・・
コンテナの
周りの倉庫に・・・
防犯用の明かりが
ポツポツと
点き始める中・・・
拓弥は・・・
嬉し涙が・・・
バレないよう
身体を離し・・・
手提げ袋を・・・
サッと
受け取りながら・・・
ルイ君に
そっと背を向ける・・・。
ボルボのトランクを
ゆっくり開け・・・
下に敷いてある
フワフワの
白いシートを捲ると・・・
ポーカー屋で
調達してきた・・・
新聞に
包まれている札束を
おもむろに取り出し・・・
代わりに・・・
物(ブツ)入りの
茶封筒と・・・
手提げ袋を・・・
大切そうに
仕舞い込む・・・。
そして・・・
ルイ君に・・・
いち早く・・・
物(ブツ)の金を・・・
払いたい拓弥は・・・
ルイ君を・・・
ボルボの助手席に
ササッと促し・・・
自分も・・・
車のドアを開け・・・
運転席にドサッと
勢い良く
腰を下ろす・・・。
何とも慌ただしい
拓弥が・・・
金の話を
しようとした
その時・・・
ずっと・・・
沈黙を貫いていた
ルイ君が・・・
にわかに・・・
口を開いた・・・。
「ところで・・・
拓弥・・・?
こんな大量の
物(ブツ)・・・
イベントで・・・
何に使うの・・・?」
今日・・・
開催される・・・
芝浦の・・・
クラブイベントの
内容は・・・
説明していたが・・・
東京連合の
パーティーに
関しては・・・
一切・・・
何も知らない・・・
ルイ君が・・・
心配そうに・・・
眉間にシワを寄せ・・・
此方を
見つめてくる・・・。
親友に・・・
なってくれた
ルイ君に・・・
もう・・・
嘘は付かないと
心に決めた拓弥は・・・
一先ず金を置き・・・
煙草に火を着けると・・・
事の全てを・・・
正直に・・・
一から話し始めた・・・。