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『幼なじみ』

第14章  予兆



車内に
張り詰めた空気が流れ・・・


暫くすると・・・
先程発生した雨雲が・・・


ポタッポタッと
大粒の雨を
降らせ始める・・・。


ハンドルに
両腕を交差させ
体重を乗せながら・・・


車のフロントガラスから
空を見上げた拓弥は・・・


「ルイ君・・・。
やっぱルイ君には・・・


薬物を何故
調達しなきゃ
ならなくなったか・・・


今さらですけど
ちゃんと話しときます・・・」


と・・・
沈黙を破り・・・


静かな声で
ポツリポツリと
話し出す・・・。


「俺の地元の
中学の先輩で・・・


【喜多見さん】って人が
東京連合に
居るんすけど・・・


たまたま最近
ポーカー屋で
バッタリ会って・・・


最初は・・・
関わりたくないから
挨拶だけして・・・


シカトしてたんすけど・・・


急に・・・
思い出したみたいに・・・


今日のパーティーに
誘われた挙げ句・・・


金はハズむから
当日までに・・・


【エス】と【ハッパ】
出来るだけ
調達してくんない?


って頼まれて・・・。


喜多見さんは一応・・・


中学の時
世話になった
先輩だったし・・・


それに・・・裏じゃ・・・
人殺しに人身売買
詐欺に恐喝・・・


何でもアリの
東京連合だ。って・・・
悪い噂聞いてたんで・・・


俺・・・正直ビビって・・・
結局断れなかったんすよ・・・」


神妙な面持ちで
事細かに
話し進めていると・・・


東京湾上空が
白い稲光で
ピカピカ光出し・・・


ザーーーッと
激しい雨が・・・


全ての景色を
一気に濡らし始めた・・・。









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