優しくしないで
第12章 青空に…煙り
仁さんは弔問リストに名前を書き…香典を渡す…
喪服姿の仁さんは…私たちを連れて…
大人の対応をしてくれた…
ご家族とも挨拶をし…
剣と私を家族に合わせた…
おばさんは剣に気がつき…
思い出したかのように…
泣き出した…
剣…は…
太一を見つけてくれた…
最後の友人…だから…
おばさんの泣き声は…会場に響き渡り…
おじさんが、奥へ連れていった…
剣に「ごめんね…ありがとう」と…言い残し…
「…すみません。母が…
剣君だったけ?俺…太一の兄で光一(コウイチ)です。」
仁さんと剣は光一さんに挨拶をした…
「…君は…太一の彼女?」
『いいえ…元陸上部の仲間です…』
「え…あっ…そうなんだ…てっきり…」
光一さんは…微笑むと…
火葬場の中に私達を案内した…
中に入ると…
白い棺が…
ポツンと置かれていた…