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優しくしないで

第13章 夕暮れの彼女

無言のまま…歩き…



一軒のマンションに着いた…


5階建ての…比較的小さなマンション…



その屋上…

下から見上げると…高く感じる




「太一…あそこに倒れてたんだ…」




花壇の茂み…木の陰…



木や花壇がクッションになり…即死ではなかったが、衝撃で…内蔵が破損したのだろうと…剣が説明した…


屋上へは…外の非常階段を登って上がれた…



ゆっくり上がる階段の…



カツン、カツン…という音が…



日が傾いてきたマンションに響く…



夏…独特の…夕暮れにさしかかる匂いが…


視界が高くなる町並みとともに鼻孔をくすぐる…



カツン、カツン…カツン…




後一段で…




太一の見た…




最後の景色が…見える…







太一の…最後の…風景…











カツン…








広がる…



コンクールの屋上…









そこに………






静ちゃんが…






…………いた…。




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