優しくしないで
第13章 夕暮れの彼女
「なっ!!!お前達!!!友達じゃなかったのかよ!!!
太一を奪うとか!!!なんだよ!!!」
剣が…静ちゃんの発言に…
動揺を隠さないまま…問い詰める…
『……高校入って、新体操の成績が落ちてきた…
原因の一つは…体が…女性らしくなりすぎて…扱いずらくなったってのもあった
思い通りに動かない体に…イライラしてたわ…
そんな時…留美ちゃんの走ってる姿を見たの……
風みたいだった…
体格も…陸上するのに恵まれていると思った…
成績もぐんぐん伸びて…
羨ましかった…
全て…手に入れる子だと…思った…
だから、手に入らないモノが有るって…解らせたかった…』
「…静…それって…」
『そう…逆恨み……』
静ちゃんは…
薄ら笑いを浮かべた…
ガシっ!!!
仁さんが…私の手を掴んだ!!!
振り向くと…
仁さんの顔から…
血の気がひけていた…
『…仁さん?』
「まさか…太一くんは…
静ちゃんの…黒い願いを…聞き入れたのか?」
……まさか……