優しくしないで
第13章 夕暮れの彼女
日が傾き…西日が眩しく…
静ちゃんの背中を照らす…
静ちゃんの薄笑いは…逆光でよく見えなくなってきた…
「…静…お前…そんな気持ちで…太一と…一年も…
太一は…お前の事…」
『…太一は…私の事…ちゃんと…見ててくれたよ
留美ちゃんの次に…』
俯き…つぶやく静ちゃんの声は…
感情がどこにもなった…
『…太一は…静ちゃんを…』
『…それはないよ…留美ちゃん…
そこの人が言うように…
太一は……解ってたと…思うから…』
策を掴む手に力が入った
怖い…
静ちゃんの動きが…怖い…
まさか…
飛び降りてしまうのではと
…考えてしまう…