テキストサイズ

優しくしないで

第17章 消える訳がない…



『…太一!!!』



私は!!!花束を握りしめ!!!


夕日で照らされる太一に…



会いたかった思いを……


謝りたい気持ちを…




愛している思いを…




伝えたくて…





駆け寄る!!!!!!





『…太一………』




しかし……ゆっくり振り向くその姿は…



太一に似ていたが…




太一ではなかった…







「…君は……火葬場の…」






太一より…


大人びた顔立ち…




フワリと花の香りに混ざって漂うタバコの…香り…





『太一…?』





「……いや…ごめん、
太一じゃない………。


兄の…光一……………」










夕日に照らされて…立っていたのは…






火葬場で会った…




太一の兄……



光一…だった…









私は……悲しげに笑う…


光一さんが…




太一に見えてしまったのだ…










太一……




太一…




太一…





『…ごめんなさい…




太一に…似てて……』








ストーリーメニュー

TOPTOPへ