テキストサイズ

優しくしないで

第17章 消える訳がない…



「…太一の…心までは…誰も解らないし…



でも、誤りたいって思う気持ちは…


忘れないで欲しい…


君の心に…太一の居場所を…残して欲しいから…」




『光一…さん…』




「普通は…“早く忘れて、貴方の人生を〜”とか…言うもんだろうけど…


俺は…太一を忘れて欲しくないから…


その“ごめんなさい”と…上手く付き合っていってくれないかな?」




『……責めたり…聞いたり…しないんですか?』





私は…太一の家族に…


責められても構わないと…


思っている…のに…



「…君…相当…苦しんだんじゃないの?

だから…聞かないし、責めない…



死を選んだ…太一が…



ホントは一番悪い…って…


気もするんだ…だから…」






光一さんは…


タバコを手に取った…







“ごめんなさい”と…

上手く付き合っていって欲しい…




讒言して…許されるより…
辛いかも知れない…


でも……少しだけ…





許された気がした…






軽くなった髪とは正反対に…



重くなる心が…




光一さんに会って…



それで…いい…って…



思えてきた…







辛くても、苦しくても…




抱えて生きて行ってほしいと…












太一が…

生きていた証として…








『…ありがとう…ございます』





光一さんは…

タバコに火をつけた…









太一……お兄さん…






やっぱり…




太一に似てるよ…




ストーリーメニュー

TOPTOPへ