優しくしないで
第20章 走り出す
「フフフ…気が合うね〜」
仁さんの子供っぽい仕種に…
何度ドキマギしたか…
こんな…事…始めてだから…
プリントを掴む手に力が入る…
クシャ……
「あ…」
『あ…』
クシャクシャになるプリントから手を離してしまう!
「も〜、留美ちゃん…クシャクシャじゃん」
仁さんは拾い上げて…プリントのシワを伸ばす…
「……こんなに…沢山、求人はあるのに…厳しいね…」
仁さんは…プリントを見ながら、ため息をつく…
私の事なのに…
いつも親身になってくれる…
私は……仁さんに…何もしてあげれないのに…
仁さんは…私にはプリントを手渡した
クシャクシャのプリント…
何気に……シワのない部分に目が行った…
『……この…会社……』