優しくしないで
第21章 宝物
自分の部屋に入り…
カバンから太一のシューズを取り出し…
机に飾った…
陸上関係のモノを処分した部屋は…殺風景だったが…
最近は……少しづつ、物を置くようになった…
まだ、就職関係や手話の本が多い本棚だが…雑誌も少し置いていた…
無気力だった頃は…
何も無くても…全然平気だった…
生きていくとは……物が増える事なのかな…
太一のシューズを撫でながら…
今日の面接を思い出していた…
大丈夫……
伝えた……大丈夫…
太一のシューズを見つめ…
つぶやく…
本当は…不安だらけ…
後は……結果を待つことしか出来ない……