優しくしないで
第22章 雪の降る日は…
私たちは互いの報告をお墓でした…
灰色の墓石は……
冷たいままだったけど…
“皆…頑張って…”って
言われている感じがした…
太一…
あの夏は…
辛すぎて…辛すぎて…
今でも胸が苦しくなる…
でも…太一の…
優しくしない、優しさを…
知った……大事な夏だった
太一の事を…
好きになって……
良かった…
『…雪……』
白い雪が……ゆっくり空から降ってきた…
「さぁ…また、来よう…」
仁さんは…私の肩についた雪を…
優しく手で包み溶かす…
『…太一…またね…』