優しくしないで
第22章 雪の降る日は…
「今日は、定休日だし。
貸し切りだ〜!!!」
『え?仁さん!』
「練習、練習!!!まだまだ、俺は半人前、駆け出し美容師だから〜」
そう言うと、仁さんは自分の首にしていたストールを私の首に巻いた…
ここ数ヶ月で、仁さんのカットの指名は増えていて…
半人前なんて嘘…
いつも…私を甘やかす…
私は仁さんの温もりが残るストールに…顔を埋める…
はぁ…仁さんの匂い…
『…優しく…し過ぎです…』
「…優しくするって、言ったでしょ?」
『…イジワル…』
「ん?」
『何でもないです…』