テキストサイズ

優しくしないで

第22章 雪の降る日は…



「留美ちゃん、ど〜ぞ。」


私は、カップを置いて…


仁さんの居るカットスペースへ向かった…



『…お願いします』



「こちらこそ、よろしく」



『「ぷっ!!!」』


仁さんのお茶目な言い方に…


二人で吹いて笑ってしまった…








仁さんの指は…私の髪を優しく包み…


バランスを見ながら…切っていく…






ベリーショートにした日から…数ヶ月…



…仁さんに…弱いところを見せた日もあった…



励まされ、支えられ……





多分…愛されてる…よね…



そんな…暖かい気持ちは…


はじめてで…



触れられる髪…


一本…一本が……



照れ臭くて…くすぐったい…





仁さん…




カットしてるときの顔…




キリッとしてて…かっこいい…




指が触れるたび…




ドキドキ…してる…












サワ――――――……



フっと……



頭を過ぎった…





太一の名が刻まれた…



石表……






ドキドキが……




胸の中に――――…


す――――――…と消えた…






愛される……資格は…






私には…





ない…





ストーリーメニュー

TOPTOPへ