優しくしないで
第3章 時は止まる
彼の勤めている美容室はすぐ近くにあった
見るからにオシャレな作りで…制服の自分が浮いているのが直ぐに解った
『や…やっぱり…場違いの気がします。』
「大丈夫だよ!高校生も来る、普通の美容室だから」
中に入ると、スタッフが笑顔で迎えた
「お〜仁(ジン)カットモデルか?
高校生か〜!可愛いなぁ〜」
彼は、私を席まで誘導しながらスタッフと談笑した
「高校生ちゃん…ちょっと待っててね。店長と話して来るから」
耳元で囁かれ…
ゾクッとしたが
他のスタッフの目線が気になった
「君、ラッキーだよ!
仁は新人でも、センスも腕もいいから」
他のスタッフから話し掛けられ…
緊張が一気に襲ってきた
…私…何やってるんだろう