夢で逢えたなら~後宮秘談~
第3章 結ばれる
思い惑う百花を崔尚宮は感情の読み取れない瞳で眺めていたかと思うと、最後にとどめを刺すように言った。
「考えてもみなさい。これは、けしてそなたにとっても悪い話ではない。むしろ、殿下の寵幸を頂き、元子(げんし)さまのご生母ともなれば、そなたの母は次の国王のお祖母(ばば)さまとなるのだ。それこそ、まるで夢のような話ではないか? 苦労して尚宮になるより、よほど早く出世も叶い、栄耀栄華も思いのままだ」
百花の理想とする出世とは、崔尚宮の考えるものとは随分と違う―というか、むしろ対極にあるようだ。これでは幾ら訴えてみたところで、崔尚宮に自分の夢が受け容れて貰えるとは思えない。
「考えてもみなさい。これは、けしてそなたにとっても悪い話ではない。むしろ、殿下の寵幸を頂き、元子(げんし)さまのご生母ともなれば、そなたの母は次の国王のお祖母(ばば)さまとなるのだ。それこそ、まるで夢のような話ではないか? 苦労して尚宮になるより、よほど早く出世も叶い、栄耀栄華も思いのままだ」
百花の理想とする出世とは、崔尚宮の考えるものとは随分と違う―というか、むしろ対極にあるようだ。これでは幾ら訴えてみたところで、崔尚宮に自分の夢が受け容れて貰えるとは思えない。