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夢で逢えたなら~後宮秘談~

第5章 妖婦

 温昌淑は楊尚宮同様、若い女官たちから慕われる監察尚宮となり、国王哲(チヨル)祖(ジヨ)の信頼も厚かった。昌淑は哲祖の幼少時からよく遊び相手を務め、保母尚宮も経験していたため、実の母である仁(イン)香(ヒヤン)王后よりも昌淑に懐いていたほどであった。
 もちろん、それはこの物語よりも更に後の王宮であの話だ。それについては、また、別の語り手が語ることもあるだろう。私は私の知る限りのことをここに書き残し、後の御世のことは、後世の人に任せるとしよう。

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