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夢で逢えたなら~後宮秘談~

第6章 鷺草~真実の愛~

 その短いひと言には深い悔恨と悲嘆が込められており、百花にまでひしひしと伝わってきた。これだけで、王が金淑儀とその子の死をどれほど悼んでいるか知れる。
 哀しみに沈む眼の前のこの男が冷淡だなどと、何故、思ってしまったのだろう。とんでもない誤解であった。
 自分は、やはり、王を少しも理解していなかった。否、理解しようとはしていなかったのだ。

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