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夢で逢えたなら~後宮秘談~

第2章 揺れる、心

だが、そなたといると、どうしてか、気の利いたこと、面白きことの一つでも申して、そなたを笑わせ、歓ぶ顔が見てみたいと思ってしまう。先刻の、そなたを愕かせたのも、つまりはその―そういう理由からだ」
 これはもう十分すぎるほどの王の率直な気持ちを吐露したものであり、もっと平たく言ってしまえば恋情の告白に相違なかったが、生憎と百花はどこまでも初で、こういった男女の心の機微や恋の駆け引きには全く知識も経験もなく、奥手だった。
「これでは謝罪にならぬか?」
 消え入るような声で言った王に、百花は深々と頭を下げた。

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