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secretroom~秘密のひととき~

第15章 気持ち

それから、家へ帰る間の記憶はあまりない。ただ、会ったときより絆が深まったことは確かだ。

憂美『ただいま。』

二「お帰り。」

憂「ただいま♪」

翔「美紀、ちょっと話があるんだけど…」

美「うん。」

私は、目で美紀さんに

“頑張って”

と伝えた。



手を洗い、夕飯の準備のためにキッチンへと向かった。






……………………………………

翔くんが、アメリカに行くと聞いたのは、それから3日後のこと。
ちょうどクリスマスイブの日だった。

憂「良かったね。美紀さん♪」

私は、自分の感情を押し殺して、そう伝えた。

笑顔で二人は、カップルが集う町へ出て行った。


二「大丈夫ですか?」

憂「うん。…ちょっとベランダ出て来るね。…


大丈夫だから、少し一人にさせて。」


そんな私の声は、自分でもびっくりするほど、震えていた。

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