甘すぎて気絶
第3章 チャラ男
カタンと音がして隣の席の椅子が引かれる
ぱっと顔をあげると笑顔の雅人がいた
「花音ちゃん、おっはー☆」
いまだにあたしをちゃん付けで呼ぶ雅人は
お友達に一通り挨拶をし終わったらしく
いつも通りあたしの隣に座った
「おはよ」
花音ちゃんなんか最近つめたいーと
ぶーぶー文句を垂れながら
前から回ってきたレジュメを
あたしに手渡してきた
悩んでるんだよ、雅人が手を出してこないから
なんて言えるはずもなく
あたしと雅人が付き合いだし時に
雅人の華麗なる女癖の悪さやら
セックスのテクニックやら
何が感じるとかどんなキスをするとか
ファンの女の子(喰われ済み)に
ご丁寧に嫌みたっぷり説明されたから
雅人が免疫ないわけないことは知ってるし
手が早いことは付き合う前から有名だった
‥‥あたしにはキスすらしないけど