
体で愛して!
第2章 秘密の香り
お兄ちゃんは唇を離すと、少し泣きそうな目で言った。
「色んな女で妥協しようとしたけど、どうしても、ダメだ…。どうしても里香しか愛せないって言ったらフラレた」
「…お兄ちゃん」
「この手も、瞳も、長いまつげも、細い首とか、白い腕とか…いっつも笑顔なところとか、でもたまに見せる涙とか…そういうの全部愛しい…俺のものじゃなくちゃ嫌になる」
お兄ちゃんはそう言って、私を強く抱きしめた。
体から伝わる熱を受けた時、
自分もおんなじ気持ちだったことに気付いた。
「なら全部…お兄ちゃんの物にしてほしいな」
私の言葉に驚きの表現を浮かべてから、
「…いいの?」と、聞いてきた。
私が静かに頷くと、理性を失ったかのように、さっきとは違う、むさぼるようなキスを落とした。
