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体で愛して!

第12章 乙女の最期

「…ずるいよ…!!もう死ぬのに…死んでるのに…!!!悲しい気持ちは私だけで十分なのに…」

「それって…樺島も俺のこと好きだったってこと…?」

「本当はね、神様に頼んだの。『最後に少しだけでも、片思いの人と一緒に居させてください』って」

そう言いながら、樺島は俺の頬をなぞった。

「…!!樺島…体が…」

樺島の体は徐々に薄くなっていた。

「…へへ。『片思いの人』が『両思いの人』に変わったからだわ」

「……」

「でも変なの。もうすぐ消えちゃうのに…全然悲しくないわ。…高見くんと両思いになれたから…」

「樺島はまだ生きてたよ。俺の手を握り返して、キスして抱き合っただろ…。」

「ありがとう…ありがとう高見くん…」

目を閉じて、
キスをした。


目を開けた時、隣に樺島の姿はなかった。


でも、確かにそこには
かすかなぬくもりが残っていた。
樺島が生きていた何よりの証拠だ。

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