甘い毒は変態を刺す
第1章 放課後の教室
「鈴原ー、先帰ってるぞ?」
1年から仲の良い安藤が教室に向かう俺にそう聞いた。
安藤は学校から家が遠いのを知っていた俺は帰るように伝え、電気の消えた廊下を歩いて行った。
さすがに怖い。
ビクビクしながら2-3と書かれたプレートのある教室へ恐る恐る入った。
一番前の真ん中、教卓の目の前にある俺の机の上には着信を知らせるランプが点滅したケータイがあった。
一息つき、ふと窓側の前から二番目の矢吹くんの机に目を向けてしまった。
この暗闇、静けさ、恐怖これらが俺をおかしくしたのか。
俺の足は真っ直ぐその机に向かって行った。