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甘い毒は変態を刺す

第1章 放課後の教室



ギギ、と不快な音を立てながら椅子を引きそのまま着席して顔を埋めた。


駄目だ、こんな、
まるで変態だ、でも、でも


葛藤する俺を煽るかのように机からは微かに良い香りがした。


「矢吹、くん…」

そう呟いた途端に教室の電気が付き、慌てて顔を上げた。


電気のスイッチがある場所には矢吹くん。



矢吹くん…?


その姿を見た途端段々と我に返り、この状況がとてもマズイことだと悟った。


「ご、ごめん!いや、別にやましい意味があったわけじゃ…」

どう考えても言い訳にしか聞こえない言い分をダラダラと表情を見せずに近づく矢吹くんに言っていた。

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