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ふたりのち晴れ

第24章 楠木―ありがとね



巧くんは上から被さってきて

入れたまま抱きしめてきた。






巧『なんで怒ってんのか、ほんとは分かる』


楠『え?』


巧『俺が委員会だからって一緒に帰るって言ったお前を無理やり帰らせた事だろ?』




楠『……』


巧『ごめんな』



僕は胸がズキンとした。



そう、僕が怒ってんのは

待ってるって言った僕に

先に帰れ と進めた巧くんにしたがって…


寂しく歩いて下校してたら


あんな目にあって…



楠『…かった。』

巧『ん?』

巧くんが優しく聞き返してくれて


楠『…寂しかった。』



巧『ほんとごめん』


そのままギュッと抱きしめられて


嬉しくて僕の目から
涙が出て…



楠『…うん!』


ギュッと抱きしめ返し


しばらくそのままだった



気づいたら痛みも忘れていた。

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