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雨の人

第10章 嫉妬

私は

川村さんの枕元に

ペットボトルの水を置き

そっとベットを離れた





あまり音をたてないように

気をつけながら

寝る準備をして




川村さんの隣りに

そっと潜り込む




甘えたい気分で

いっぱいだった




「ゆき」って

名前を呼んで

いつもみたいに

ぎゅうって抱きしめて

もらいたかった





でも

川村さんは

隣りに私がいることも

気付かないまま




ぐっすり眠っている



甘えたくて

甘えたくて

身体を近づける程





知らない香りがして





ちょっと





悲しくなった






側に居ればいるほど

寂しい気がして





私はベットから

静かに抜け出し





ソファに身体を横たえた





眠くはなかったけど


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