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雨の人

第10章 嫉妬

「もしもし、ゆき、もう部屋?」


「うん、もう部屋。」


「おかえり」


「(笑)ただいま」


「なぁ…ゆきぃ~…」


「なぁ~に?」


「会いたい」


「え?(笑)さっき
別れたばっかりだよ?」


「あぁ…俺は病気だな(笑)
俺さ…昨日、
なんであんなに酔ったのか
考えてみたんだよ…。」


「うん…」


「あの、お店の女の人に
ゆきの話、してたんだ、俺。

ゆきのどんなとこが好きか
とかさ…

幸せ自慢みたいな話
ずっとしてたら
テンション上がっちゃって…

あんなに酔っぱらった(苦笑)

それでさ
彼女迎えに来てくれるのに
何やってんだ!
って歩けない俺を
支えて玄関まで
連れてってくれたんだよ」



「そうだったんだ…。
でも…綺麗な人だった」



「綺麗じゃないよ!
化粧いっぱいしてるだけだ。

あんまり化粧しなくても
可愛いゆきの方が、綺麗だよ」


「あ、ありがと…」


「今の、ゆきがいいんだよ」


「恥ずかしいよ…」



いつまでたっても
恥ずかしいと言う
ゆきが好きだ

でも
もうちょっと
大人で、積極的なゆきに
なって欲しい
俺もいた

だって…
言葉や態度で
愛されてることを
俺も感じたいから…

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