テキストサイズ

雨の人

第2章 元彼への想い

ゆうまは

一方的に
会う日時と場所を告げ


電話を切ってしまった…





どうしよう、来週の日曜日…。



私…


ゆうまの声

聞きたかった。




会いたいと言ってくれた時、




やっぱりうれしかった。




「ゆき」

と名前を呼ばれて……




ドキドキした。



まだ、私は、

ゆうまのことが好きなのかな……




一度裏切られたのに……



あんな酷いこと

されたのに。










悩む日々は
あっという間にすぎ

約束の日曜日になってしまった。



その日は朝から雨が降っていた。




約束の場所に
行くか行かないか



私は

まだ悩んでいた。




私は

確かに

まだ
ゆうまが好き。




また
私だけを見てくれるなら…

私だけを
愛してくれるとしたら…



別れを告げられた時から

ずっと
私は泣いていた。



涙が渇れて欲しいと
思ったほどに。



でも涙というものは
渇れてはくれない。


どれくらい泣いただろう。


それほど
ゆうまが好きだった。




分かってる



もしかしたら

また
辛い思いをするかもしれない。



約束の場所に行くという事は



バカなことだって。





でも…
ゆうまに会いたい





今日は雨




川村さんから
電話がかかってくるだろうか。



私がいなかったら

川村さんがっかりするのかな…。



川村さんに相談したら



なんて言うかな……




私から
川村さんに
連絡を取ることはできない。




私は

約束の時間になるまで

自宅の電話を

見つめていた。





目をはなさずに




ずっと。




ストーリーメニュー

TOPTOPへ