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「ゆき、待てよ、行くなよ」



「ゆうま、手、はなして！
ゆうま、痛いよ…」



私は車を降りようとするけど
ゆうまは、私の腕から
手をはなそうとはしない



「ゆき、いいから
ちょっとドア閉めて？」



「イヤだ、私帰る！
だから、はなして！」



「なんだよ、ゆき…。

分かった、分かったよ。
ゆきの気持ちは分かった。

じゃあさ…
今日で最後なんだろ？
最後なんだからさ、
こんなじゃなくて
気持ちよく別れようよ。

とりあえずドア閉めて？」




「ゆうま…」



「ゆき、落ち着いて、
ドア閉めて？」



「ごめん、ゆうま…
私、やっぱりこのまま帰りたい。
お願い、お願いだから、
手はなして？」



「絶対放さない。
俺、ゆきを放したくない。
ゆき、こっちおいで？」





ゆうまは、
私の腕を更に強く引っぱり
私を抱きしめようとした