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雨の人

第1章 突然の電話

え?


えーと……
初めてのパターンだった。

交際を断ったのに、
電話切らないでなんて


どうしよう…

私が戸惑い、黙っていると




「あの…

僕の話を
聞いてくれているだけでも
構わないんで。


あ、でも…
警戒しちゃいますよね?


じゃあ、えーっと

どうして
ゆきさんの電話番号
知っているか話します


いいですか?」





「あ、はい…」



それは、
ちょっと気になる内容だったので
私は話を聞いてみることにした。




「実は僕・・

通勤途中に
ゆきさんとすれ違うんです。」




「そ、そうなんですか?」




「はい。

ゆきさん、青い色の
車に乗ってますよね?」




「え、えぇ。」




「僕は、その…

たまにすれ違う
青い車のゆきさんに

ひと目ぼれしたんです。」





「……」




「ゆきさんの青い車
この辺では、あんまり誰も
乗ってないですよね?」




「えぇ・・」




「僕ね、友達に
珍しい青い車の女の子に
ひと目ぼれしたって
話をしたんですよ。

そうしたら、その友達
ゆきさんと同じ高校で
ゆきさんの事
知ってたんです。」




「そーなんですか…」




「それで
電話番号まで調べて…


すみません。

でも、僕、ゆきさんと
どうしても話が
したかったんです…」





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